貧血が不妊の原因になることをご存知でしょうか?
現在、「不妊治療を受ける9割の女性が貧血」というデータもあり、貧血を甘く見てはいけません。
その中でも、「フェリチン」という成分に注目しながらお伝えします。
不妊とは
普通の性生活を送っていても、2年以上妊娠に恵まれない場合、「不妊症」と呼びます。
日本では6組に1組のカップルがこの不妊症に悩んでいると言われており、深刻な社会問題です。
不妊では、女性側の原因が約3割、男性側の原因が約3割、両方の原因が約3割、残りの1割は原因不明とされています。
女性側の原因として、卵子が育っていなかったり、育っていても排卵ができない排卵障害をはじめ、子宮・卵管・子宮頸管等に障害があり、妊娠につながらないケースが考えられます。
対して、男性側の原因の多くは、精子の数の少なさや運動能力が低い等、精子の形成に障害が見られることです。
そのほか、精子は作られているものの、精管が詰まったり、勃起不全(ED)や射精障害が考えられます。
不妊と貧血の関わり
鉄分が不足して起こる鉄欠乏性貧血は、体内で鉄分の吸収が不十分な時や月経や消化器官の出血により、鉄分が少なくなった場合に発症します。
月経によって、毎月45ccの血液と20mg前後の鉄分が失われるため、急激に血液や鉄分が失われる月経を経験する女性は、特に貧血に気をつけなければなりません。
貧血になると、血液中のヘモグロビンや赤血球が欠如し、酸素や栄養を運ぶ血液が各細胞へ行き渡らず、結果的に生殖器の働きも低下させてしまいます。
それに、鉄分は、妊娠時に卵細胞が成長するために欠かせない成分なのです。
鉄分不足によって、体内の細胞を酸化し、機能を低下させる活性酸素が増えてしまい、卵子にもダメージを与えてしまう恐れがあります。
よって、貧血により鉄不足が続くと、健康な卵細胞が育たなくなり、不妊を招くことになります。
フェリチンについて
妊娠には欠かせない鉄分ですが、中でも貯蔵鉄とも呼ばれる「フェリチン」は、その不足によって卵子や卵胞の成長を妨げたり、流産の原因になってしまいます。
フェリチンの理想値は、100〜150ng/ml。
40ng/ml以下になると、早産や流産、着床不全の可能性が高まると言われており、妊娠を望まれる場合は、最低でも50ng/ml必要です。
一般的な鉄欠乏性貧血になると、めまい・動悸・息切れ・全身の倦怠感・耳鳴り等の症状が見られますが、フェリチンが不足している際は、何らかの症状として現れないため、自分で気づきにくい側面があります。
気になる方は、一度医療機関でフェリチン値を調べてもらいましょう。
フェリチンを満たすことで、不妊症や流産の予防だけでなく、パニック障害やうつ病にも効果的です。
フェリチンを補い、改善するには?
貧血や不妊の改善には、以下のような食事や生活習慣がおすすめです。
・日頃から鉄分を含む食べ物やサプリメントで、積極的に鉄分を摂取する
・バランスの良い食事を心掛ける
・肉、魚、卵等から良質のタンパク質を摂る
・無理なダイエットはしない
・朝食をきちんと食べる
・体を温める飲み物や根菜類を摂る
・激しいスポーツはほどほどに

現代女性はフェリチン欠乏の「隠れ貧血」が多いのが特徴です。
隠れ貧血のせいで、原因不明の不妊症に陥っているケースも。
赤ちゃんが欲しいのになかなか妊娠しない・・という方は、一度フェリチン不足でないか疑ってみましょう。
質の良い葉酸サプリメント(鉄分、その他ビタミンを含んだもの)で鉄分補給することを強くおすすめします。